特集 不安定腰椎(第18回日本脊椎外科研究会より)
座長総括
「Ⅰ.運動解析」の部
辻 陽雄
1
Haruo Tsuji
1
1富山医科薬科大学整形外科学教室
pp.354-355
発行日 1990年4月25日
Published Date 1990/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900061
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このセッションでは腰椎部脊柱機能単位の退行変性において問題となる支持性と運動性の評価およびその臨床的意義について,基礎的あるいは臨床的研究が報告された.
まず山元(北大)らはエール大学との共同研究として新鮮屍体腰椎柱を用いて,長軸圧縮荷重下で屈曲伸展回旋を行わせ,脊椎の動きを実験的に解析した.回旋を強制すると側屈運動が一定のパターンすなわちL1-2~L2-3では荷重と反対方向の側屈,L4-5およびL5-Sでは同じ方向への側屈がみられ,それはL4-5に応力集中がおこることを示唆し,側彎強制で軽度屈曲と反対方向への回旋を,屈曲伸展では,couplingはみられなかったという.これらの所見は従来の定説と一致し,かつより生理的に近いデータと考えられるとした.
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