特集 不安定腰椎(第18回日本脊椎外科研究会より)
第18回日本脊椎外科研究会を開催して
山本 博司
1
1高知医科大学整形外科
pp.353
発行日 1990年4月25日
Published Date 1990/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900060
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主題として,「不安定腰椎」を取り上げさせていただいた.腰痛の成因には,いろいろなものがあるが,活動的年齢である青壮年期に於いては,腰椎のいわゆる「不安定性」が腰痛や下肢症状の直接的,間接的な成因に関わっていることが多い.
不安定腰椎を招く病態因子として,先天的弱点,分離症,椎間板障害,椎間関節形態特性,空間における位置関係,日常生活環境,,加齢的変化など様々あり,これらが多因子性に関与している.不安定という物理学的な見方をするならば,近年のバイオメカニクス的解析手法の進歩は目ざましいものがあり,病態分析に重要な役割を果たしてくれるものと期待される.実際に,バイオメカニクス面から解析した優れた報告がいくつか出され,はっきりとした病態解明への進歩に接することができた.
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