Japanese
English
シンポジウム 予防処置導入後の乳児先天股脱
予防活動普及前後の15年間における先天股脱症例の検討
Review on Cases of Congenital Dislocation of the Hip During Past 15 Years in Our Clinic
児玉 直樹
1
,
松永 隆信
1
,
橋本 幸生
1
,
太田 牧夫
1
,
尾下 佳史
1
,
平松 哲
1
Naoki Kodama
1
1岐阜大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Gifu University School 0f Medicine
キーワード:
先天股脱
,
congenital dislocation of the hip
,
子防
,
prevention
,
検診
,
mass examination
,
治療
,
treatment
Keyword:
先天股脱
,
congenital dislocation of the hip
,
子防
,
prevention
,
検診
,
mass examination
,
治療
,
treatment
pp.281-287
発行日 1990年3月25日
Published Date 1990/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900047
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抄録:予防活動普及前後の先天股脱症例の変遷を知る目的で昭和49年より63年までの15年間に当科で初期治療を行った症例について,予防活動普及前の第1期(49年~53年),普及前後の第2期(54年~58年),普及後の第3期(59年~63年)の5年間隔で検討した.49年より59年まで症例数は漸減し,60年以後はほぼ同数で,第3期の症例数は第1期のおよそ3分の1であったが,各期を通じて寒冷期の発生数が明らかに多かった.RBの初回整復率は第1期83.7%,第2期84.8%,第3期69.2%と第3期において低下し整復難航例の占める割合が増加していた.補正手術の行われる頻度は整復時期が遅くなるほど高くなり,1歳1カ月以上で整復されたものは41.3%に施行されていたが,これら24例中20例は乳児検診で異常を指摘されておらず検診での見逃し例と考えられた.今後の課題としては,予後不良例の多い年長整復例を減少させるため現在行われている検診制度の改善が重要であると考える.
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