Japanese
English
臨床経験
特異な経過をたどった特発性大腿骨頭壊死症の1症例について
A Case of Idiopathic Necrosis of the Femoral Head with Specific Process
吉原 哲
1
,
渥美 敬
1
,
杉森 広海
1
,
吉田 雅之
1
,
山野 賢一
1
,
佐藤 哲夫
1
,
村木 稔
1
,
東郷 泰久
1
,
黒木 良克
1
Satoshi Yoshiwara
1
1昭和大学藤が丘病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Fujigaoka Hospital, Showa University School of Medicine
キーワード:
特発性大腿骨頭壊死症
,
idiopathic necrosis of the femoral head
,
選択的動脈造影
,
selective angiography
,
骨壊死
,
osteonecrosis
Keyword:
特発性大腿骨頭壊死症
,
idiopathic necrosis of the femoral head
,
選択的動脈造影
,
selective angiography
,
骨壊死
,
osteonecrosis
pp.203-207
発行日 1990年2月25日
Published Date 1990/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900033
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抄録:我々は,荷重部に広範囲に壊死域が存在したにもかかわらず著明な修復機転をきたし,免荷療法のみによって治癒に至った特発性大腿骨頭壊死症の1症例を経験したので報告する.症例は31歳男性であり,単純X線像にて軽度のcollapse及び骨頭外側の萎縮像がみられsubchondral plateは不明瞭となっており大腿骨頭壊死症を疑わせたため,断層撮影,Tc-scintigraphy,CT,MRI等の画像診断を施行したところ異常な画像所見を認めた.選択的動脈造影及び骨生検により,superior retinacular arteryの骨外部分の血行障害後に起こった修復血行が更に骨内においても障害されたが,その後著しい修復機転が起こったことが示唆された.長下肢免荷装具および両松葉歩行により徹底した免荷を施行したところ免荷後約半年にて自覚症状は軽減し,画像所見の改善もみられ,治療後1年の現在,全荷重歩行を許可しているが,なんら問題は生じていない.
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