書評
非特異的腰痛の運動療法[Web動画付]第2版—病態をフローチャートで鑑別できる
東 裕一
1
1南越谷病院リハビリテーション科
pp.1051
発行日 2024年8月25日
Published Date 2024/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408203085
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腰痛および体幹機能障害は,理学療法士が臨床において頻繁に直面する課題の一つである.理学療法士の特殊性は人の運動を扱うことにある.そのため上肢の障害に対する肩甲骨の位置の修正,下肢の障害に対する理想的な荷重の回復および初動の力源という意味でも,腰部骨盤帯もしくは体幹に対する運動療法は基本となることが多い.腰部に対する運動療法は,疾患にかかわらず,ADLの拡大に向けた理学療法の根幹になると言える.
本書では,腰部骨盤帯に関して,構造と機能および評価から解説されている.そのため,書名にある非特異的腰痛だけではなく,多くの腰部疾患および体幹機能についての基本事項が記載されている.宮本重範氏の教えが生かされ,現在では「医療面接」と言われることも多い「問診」および「視診」を重視しながら,自動運動時の痛みの発現もしくは制限からフローチャート(アルゴリズム)が展開されている.医療面接の経験が少ない理学療法士にとっては,「問診」の項目が参考になるであろう.
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