特集 高齢者足部・足関節疾患 外来診療のコツとトピックス
緒言
山口 智志
1
Satoshi YAMAGUCHI
1
1千葉大学大学院国際学術研究院
pp.733
発行日 2022年6月25日
Published Date 2022/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202361
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わが国は高齢化率が29.1%に達する,世界有数の超高齢社会です.そんな中,2022年4月に日本医学会連合より「フレイル・ロコモ克服のための医学会宣言」が発表されました.宣言では,80歳での活動性の維持を目指す「80GO(ハチマルゴー)」運動が提唱されています.足腰の健康を守り,生活の質を向上させる整形外科医の役割はこれまで以上に重要になります.
足部・足関節疾患の診療が苦手な先生方は少なくないと感じます.その理由の1つは,疾患の数が多いため,そもそも診断に難渋することが少なくないことです.また,疾患によって治療方針も異なります.そのため,足の診療ではまず疾患を知っていることが大前提になります.そのうえで,適切な診断と病態の把握のもと,患者さんの背景を考慮して治療の選択肢を提示することは,患者さんの年齢にかかわらず同様です.また,他部位の整形外科疾患と同様,足の疾患でもリハビリテーションを含めた保存療法は非常に重要です.すべての患者さんがリハビリテーションで通院できるわけではありません.外来診療でホームエクササイズを指導できるよう,医師も知識を持っておく必要があります.
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