視座
AI研究
稲葉 裕
1
Yutaka INABA
1
1横浜市立大学整形外科
pp.315
発行日 2021年4月25日
Published Date 2021/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201952
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AI(artificial intelligence:人工知能)という言葉が日常生活で普通に使用されるようになって久しい.以前は未来を描いたフィクション小説や映画の中でのものと思っていたが,現在ではスマートフォンでの音声認識やお掃除ロボットなどにも使用されている.またゴルフのドライバーなどでも‘AI設計’などと謳われるものも出現し,聞くだけで凄い印象を与える.
医療分野においてもAI導入による発展が期待された.現代の医学ではエビデンスが重要視され,数十例程度の検討結果では不十分で,数千例というビッグデータの解析が望まれている.実際に海外の学会や学術誌で採択される研究は,ナショナルレジストリー研究や膨大な症例数の多施設研究などが多くなっている.このように膨大なデータを解析する研究や,診断・治療などの実臨床においてもAIの導入は期待されたが,現在までにはAI技術を用いた画像診断などの報告はあるが,予後予測や治療介入に有用なレベルには至っていない.
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