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生成AIとは
2022年末にOpenAI社からChatGPTが発表され,驚異的なスピードでアクティブユーザー数が増加したことにより大きな話題を呼んだ.2023年にはGPT-4や画像生成ができる「Dall-E3」が公開され,2024年には動画生成ができる「Sora」,音声認識や画像認識の能力が高まった「GPT-4o mini」や新たなインターフェースを有する「canvas」などが相次いで発表されている.Microsoft社もGPTを活用したMicrosoft Copilotを導入し,Apple社が提供予定のApple IntelligenceでもChatGPTが利用可能になる予定で,私たちの日常生活にも大きな影響を及ぼしている.Google社は,2018年からBERTという言語モデルを公開しており,2023年にはGeminiを発表している.そのほかにも,Anthropic社からClaudeという生成AIが発表され,数多くの生成AIを活用できるようになっている.また,大規模言語モデル(LLM)の処理にはGPUという本来であれば画像処理を担う装置が重要であり,GPUに強みをもつ半導体メーカーのNVIDIA社やその関連銘柄の株価が上昇し,しばしば「AIバブル」などと称され,経済面においても大きな影響力を有している.
臨床栄養の領域においても,生成AIを業務や研究に利用できるようになりつつある.一方で,生成AIは完全に正しい情報を提供してくれるわけではなく,「ハルシネーション」に代表される虚偽や誤解を招く情報を提供する場合もあるため,その利用については生成AIの限界点についても把握しておく必要性がある.これらの生成AIに関する基礎知識については多くの書籍や解説サイトが存在するため,そちらを参照いただきたい.
本稿では,臨床栄養の実践と研究における生成AIの利点,展望や限界点,注意点などを述べる.なお,生成AIは本稿を執筆している間にも加速度的に進化しており,本稿の内容もすぐにアップデートされる可能性があるため,最新情報の入手に努めていただきたい.
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