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あとがき
酒井 昭典
pp.214
発行日 2021年2月25日
Published Date 2021/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201926
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2021年がスタートして一息ついたところですが,いかがお過ごしでしょうか.昨年はCOVID-19に振り回された1年でした.昨年の学習から今年はもう少し賢明に対応し,安全で有効なワクチンを武器に最終的にはCOVID-19を鎮静化させたいものです.COVID-19後の整形外科医の働き方や学会などのイベントのあり方についても,それ以前より改善されるよう取り組んでいきたいものです.また,東京オリンピック・パラリンピック競技大会が無事に開催されることを願っています.
本号の特集は「ダメージコントロールとしての創外固定」です.2018年,一時的創外固定骨折治療術(K046-3 34,000点)が保険収載されたことで,開放骨折,関節内骨折もしくは粉砕骨折または骨盤骨折における骨折観血的手術に当たって一時的に創外固定器を用いて骨折治療を行う機会が増えてきました.今や,一時的に創外固定を行い,患者を不要なリスクに曝すことなく,全身状態の改善や局所における軟部組織の腫脹改善を待って最終的な内固定を行うこと(damage control orthopedics:DCO)は,世界的な標準治療になっています.各著者には,上肢,下肢,骨盤の骨折に対してDCOの適応や実際の治療プロトコールについて実例を挙げながら述べていただきました.早期の固定が外傷治療の基本とされたearly total careからDCOへ,そしてdamage control resuscitationの状態下でのearly appropriate careへと,外傷医療は着実に進化を遂げています.
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