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あとがき
酒井 昭典
pp.302
発行日 2025年3月25日
Published Date 2025/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330600030302
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こちら北九州にも寒波が到来しています.九州なので暖かいというイメージがあるかもしれませんが,北九州は日本海側に位置していますので,毎冬,雪の積もる日が数日あり,その日は交通網がマヒします.まずバスが運行を見合わせます.雪道に不慣れなドライバーが,凍結した路面をノーマルタイヤで運転し,立ち往生やスリップ事故で大渋滞を引き起こします.今年の1月10日は平地でも雪が積もり,福岡県警には事故の通報が100件以上寄せられたとのことでした.毎年このような状況が繰り返されて,ド派手な衣装を身に付けた若者が集う成人式とともに,今では北九州の冬の風物詩になっています.
今月号の特集は「ロボット支援手術で切り拓く整形外科新時代」です.中川 匠先生にご企画いただきました.現在,側弯症などの脊椎手術や股関節・膝関節の人工関節手術においてロボットが導入され,ロボット支援手術が発展を遂げています.手術用ロボットの機種は複数あり,それぞれ特徴や機能が異なっています.ロボット支援手術は,スクリュー挿入やインプラント設置の精度を向上させています.Outlier(外れ値)を示すことがなくなり,術前計画通りに手術ができます.術中・術後合併症が少なくなり,医療の質や安全性を向上させています.ただし,執刀医の経験や知識,解剖指標ポイントなどの正確なデータ入力,適切な術中管理が求められ,全てロボット任せというわけにはいきません.今後,術後の長期成績や患者満足度の向上につながることが期待されます.

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