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あとがき
松本 守雄
pp.394
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201654
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中国武漢で新しい感染症として見つかった新型コロナウイルス(COVID-19)感染がグローバリゼーションを背景に全世界に広がり,社会に大きな負のインパクトをもたらしている.本邦では感染拡大防止のために,各種水際対策,指定伝染病決定,個人のスタンダードプリコーション奨励,大規模集会の自粛,体調不良者の自宅待機などが打ち出されているが,これらがどこまで効力を上げるかは今後を待たなければならない状況である.COVID-19の死亡率はSARS,MERSほどは高くないものの,高齢者やcompromised hostなどでは致死的になるリスクが高い一方,無症候性あるいは症状の軽微な感染者も存在し,感染拡大の一因になっているとされる.多くの医療機関は本症への準備・対応に忙殺されており,学術集会や講演会なども次々と延期・中止になっており,医学・医療界に及ぼす影響も甚大である.今回のCOVID-19感染のように,人類は既存の,あるいは新種の微生物との戦いを有史以来続けてきた.
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