誌上シンポジウム 肩腱板断裂 画像診断の進歩
緒言
菅本 一臣
1
Kazuomi SUGAMOTO
1
1大阪大学大学院医学系研究科運動器バイオマテリアル学教室
pp.868
発行日 2019年9月25日
Published Date 2019/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201456
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すべての疾患に通じることであるが,診断の可否は診療行為の肝である.高血圧専門医における血圧計がそうであるように,診断をするための機器の重要性は説明するまでもない.肩関節疾患全般,特に肩腱板断裂における診断はMRIや超音波を用いて行われるが,それらの画像機器は診断をするための最重要ツールである.そのためにすべての肩関節外科を志す者にとってこれらを習熟することが必須となっている.
例えばMRIにおいて,これまではいくつかの2次元断面画像から断裂の有無や断裂サイズなどを評価することが重視されてきた.主な目的は腱板断裂症例かどうかを判断することであった.しかし,腱板断裂術後再断裂症例が非常に多いこと,術後機能回復の不十分な症例が少なからずあること,2次元断面画像では3次元評価が困難なことなどから,腱板断裂症例かどうかの判断以上に上記項目を含めた術後予測ができないかが求められるようになってきた.
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