誌上シンポジウム 超高齢社会における脊椎手術
緒言
山田 宏
1
Hiroshi YAMADA
1
1和歌山県立医科大学整形外科学講座
pp.336
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201326
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昨今,「人生100年時代」という概念がブームになっている.この概念の登場は,「自分の人生は,せいぜい長生きしても80年程度」と考えていた人々に対して,大きな衝撃を与えたに違いないと思う.なぜなら,80年ですら健康を保つのが難しいのに,さらにあと20年もとなると,“本当に自分の健康は大丈夫かな”と,不安な気持ちを抱く人が大多数だと考えるからである.人生100年時代を迎え,今後ますます,健康寿命の概念が重要視されるであろう.
現時点で,わが国の平均寿命と健康寿命の間には約10年の差が存在する.「人生の最後の10年が介護生活」という衝撃的な事実は,超高齢社会に突入して明らかになった新しい課題である.このため,われわれ医療人は総力を挙げて,国民の幸せのために健康寿命延伸に取り組まなければならない.
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