誌上シンポジウム 認知症の痛み
緒言
菊地 臣一
1,2
Shin-ichi KIKUCHI
1,2
1福島県立医科大学
2ふくしま国際医療科学センター
pp.604
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200851
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超高齢社会の到来とともに,整形外科を巡る診療現場が大きく変化してきている.従来の骨折の治療に代表されるcureの世界から,変形性関節症,腰痛,そして骨粗鬆症に代表されるcareへの転換である.careの時代が到来するとともに,われわれ整形外科医は今まで考えもしなかった局面に直面している.それは,認知症,パーキンソン病,脳梗塞など,高齢者特有の病態を合併している患者の受診である.
われわれ整形外科医は,これら高齢者特有の病態に対する知識やknow-howをほとんど持っていない.しかし,第一線の診療や介護の現場は,われわれのそのような現状を待ってはくれない.医療機関の外来,そして在宅医療や介護の現場では,今日も,これらの病態を合併した患者の痛みに向き合っているのである.
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