連載 慢性疼痛の治療戦略 治療法確立を目指して・4
薬物で解決できない慢性疼痛—精神科からの提言
笠原 諭
1
,
國井 泰人
2
,
丹羽 真一
2
Satoshi KASAHARA
1
,
Yasuto KUNII
2
,
Shin-ichi NIWA
2
1東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター
2福島県立医科大学会津医療センター精神医学講座
pp.76-79
発行日 2017年1月25日
Published Date 2017/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200730
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なぜ慢性疼痛の治療は難しいのか
慢性疼痛は心理社会的要因がその発症や維持に関与していることが多く,患者の訴える痛みは器質的な要因での説明が困難で,鎮痛薬などの薬物療法だけで改善させることが一般的に難しい.また近年は,そのような慢性疼痛に対して認知行動療法の必要性が唱えられているが,それを実践していく際に,認知行動療法の技術的な問題以外にも慢性疼痛患者に特有の難しさがある.本稿では,なぜ慢性疼痛の治療は難しいのか,それにどう対処したらよいのか,これまでに報告されている知見と筆者らの臨床実践に基づいて述べてみたい.
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