Japanese
English
特集 痛み-脳-こころ Revisited
慢性疼痛に対する薬物療法
Pharmacological Treatment for Chronic Pain
西原 真理
1
,
藤田 貢平
2
Makoto Nishihara
1
,
Kouhei Fujita
2
1愛知医科大学病院いたみセンター
2愛知医科大学医学部精神科学講座
1Pain Center, Aichi Medical University Hospital, Aichi, Japan
2Department of Psychiatry, Aichi Medical University
キーワード:
薬物療法
,
pharmacological treatment
,
慢性疼痛ガイドライン
,
chronic pain guidelines
,
鎮痛薬の漸減
,
tapering of analgesics
Keyword:
薬物療法
,
pharmacological treatment
,
慢性疼痛ガイドライン
,
chronic pain guidelines
,
鎮痛薬の漸減
,
tapering of analgesics
pp.1136-1140
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810670081136
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抄録
慢性疼痛の薬物療法は侵害受容性,神経障害性,痛覚変調性などその発生メカニズムに応じて組み立てられるべきであるが,精神科医としては慢性疼痛の背景にある精神障害に目を向けたい。また痛み以外の周辺症状にも注意し,それをターゲットにした薬物を選択することも重要である。本稿では日本や英国NICEによるガイドラインの薬物療法を例に挙げ,その特徴や問題点についても述べたが,最も注目すべきなのは薬による治療を慢性疼痛マネジメントの一丁目一番地に持ってこないという姿勢だろう。実際,最近の研究では薬の漸減についても取り上げられ始めており,薬を減らすことで痛みが改善できるというデータはきわめて重要である。最後にエビデンスからはかけ離れるが,筆者なりの薬物療法への工夫についても記述した。

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