Japanese
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連載 東アフリカ見聞録・4
整形外科でみる東アフリカ・ウガンダの医療
Contemporary Medicine in the East Africa・Uganda from the Orthopaedic View
馬場 久敏
1,2
Hisatosi BABA
1,2
1福井大学医学部器官制御医学講座整形外科学領域
2Senior Advisory Board, SICOT-Japan Traumatology Education Centre, Department of Orthopaedics and Traumatology, Makerere University School of Health Sciences
2Senior Advisory Board, SICOT-Japan Traumatology Education Centre, Department of Orthopaedics and Traumatology, Makerere University School of Health Sciences
pp.380-381
発行日 2016年4月25日
Published Date 2016/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200519
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一国や一地域の医療を想い計るのに,いくつかの専門的分野での現状をみればおおよそのことは見当がつくかもしれない.しかしその片鱗を知って全体を想うことは“群盲,象をなでる”であるので,控えるべきではある.一国のGDPであれ国民所得であれ,また一国民の医療費支出額などは,インターネットでかなりの部分を瞬時に調べることができる.しかしながら,どのような医療をどういった状態や条件で,またどのようにして受けることができるか,先端的な諸検査や進んだ治療法,手術やその後のfollow-upなどをいかに保証されて受けることができるかは,数字や報告書では量ることが難しい.
ウガンダを含めたケニア,タンザニアなどの東アフリカ諸国では,医学教育や医療制度,社会保障制度もよく似ており,アフリカ全体からみると先進的であると評されている.最も進んでいるのは南アフリカであり,ウガンダの整形外科医たちも短期留学,手術手技コース,技術セミナーなどで頻繁に南アフリカを訪問している.骨折外傷に限れば保存療法が主体であり,ギプス巻きや創外固定,補装具など,ややもすると本邦の若手より優れている面もある.技術を磨き,数をこなしているからである.
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