特集 世界にインパクトを与えた日本の整形外科
Leeds-Keio人工靱帯(靱帯補強用メッシュ)
冨士川 恭輔
1
1前防衛医科大学校整形外科
pp.1192-1194
発行日 2015年12月25日
Published Date 2015/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200412
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1970年代に入ると,膝関節外科の分野では国際的に靱帯損傷の病態の解明と再建手術が大きなテーマとなり,生体工学的研究に基づいた臨床研究がさかんとなった.その結果,再建手術の成績は飛躍的に向上した.しかし靱帯再建術はスポーツ選手に行われることが多く,次の課題はいかに術後早期に選手をスポーツに復帰させるかであった.しかし,自家組織による再建術では当時,スポーツ復帰には1年以上を要し,この大きな課題は解決できず,手術成績は良好でも選手生命が絶たれることが少なくなかった.1970年代後半から自家組織を犠牲にすることなく,早期スポーツ復帰を可能にするために人工靱帯の開発研究が行われるようになり,北米からGore-Tex®,ヨーロッパからStryker ligament®が発表され,臨床に応用されるようになった.
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