Japanese
English
Lecture
人工股関節の三次元評価と骨座標系の問題点—日本CAOS研究会の2014年指針を中心に
Current Issues of Three-dimensional Evaluation of Total Hip Arthroplasty
高尾 正樹
1
,
菅野 伸彦
2
Masaki TAKAO
1
,
Nobuhiko SUGANO
2
1大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学
2大阪大学大学院医学系研究科運動器医工学治療学
1Department of Orthopaedic Surgery, Graduate School of Medicine, Osaka University
2Department of Orthopaedic Medical Engineering, Graduate School of Medicine, Osaka University
pp.765-771
発行日 2015年8月25日
Published Date 2015/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200295
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
近年コンピュータ技術の発達ともに,人工股関節の三次元術前計画や手術シミュレーション研究が比較的容易に行えるようになった.一方でインプラントアライメント,可動域の表記方法,インプラントの位置角度計測のための骨座標系などは統一されておらず,研究成果の互換性が得られず研究者相互の議論に支障を来すケースがみられるようになってきた.骨座標系はインプラントアラメントや関節可動域の数値の基準となるため,その種類が異なれば解析結果に大きな影響を及ぼす.まずは複数ある骨座標系の相違を理解することが重要であり,そのうえでどの座標系がどのような解析に適するかを検討する必要がある.またインプラントアライメントや関節可動域の表記方法も複数あることを理解する必要がある.2007年に創設された日本CAOS(Computer Assisted Orthopaedic Surgery)研究会では,この人工股関節三次元評価方法の課題に対して,2014年の第8回研究会のパネルディスカッションにおいて公開議論を行った.その後,世話人を中心としたワーキンググループによって“人工股関節三次元評価方法の指針(2014年版)”を作成し,ホームページ(http://www.ome.med.osaka-u.ac.jp/pukiwiki/)で公開した.統一した標準法が決定できなかったので,指針では複数の方法を提示し,その中でも日本CAOS研究会として推奨するものを示すかたちをとった.その内容と推奨根拠を中心に,インプラントアライメントや関節可動域の表記方法や骨座標系の問題点について詳述する.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.