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はじめに
近年のロボット工学の進歩はめざましく,1990年代以降,さまざまなロボットが医療分野へ導入され,その有用性が報告されている7,13,18).ロボットは,ヒトの操作やセンサーからの入力により,あらかじめ設定されたプログラムに従って特定の作業が自動的にできるもので,医療・福祉分野では,手術支援,筋力増強訓練の支援,摂食・整容・移乗・起立・歩行などの支援,コミュニケーションの支援,介護者側の支援などさまざまな用途に利用されている.現在,国内外のリハビリテーション(リハ)領域で使用されている主なロボットには,上肢用としてMIT-MANUS15),ARM guide23),MINE4),ReoGo3),Bi-Manu-Track9,22),My Spoon24),下肢用としてGait trainer12),ALEX(Active leg exoskeleton)2),LOPES(Lower extremity powered exoskeleton)28),KineAssist6,21),HAL®(Hybrid Assistive Limb)17),G-EO Systems26),Muscle suit19),WPAL(Wearable power-assist locomotor)25),Lokomat5)などがあり,主として脳卒中後の麻痺や脊髄麻痺に対して使用されている.
当院では2011年9月からロボットスーツHAL®を脳梗塞,脳出血,くも膜下出血など脳卒中の急性期リハへ導入し,現在まで130例以上の症例に使用し,その有用性を報告してきた8,10,11,27).2013年11月からは,膝関節・肘関節のリハ用に開発されたロボットスーツである単関節型HAL®(HAL-SJ)を運動器疾患のリハへも導入しているので,その使用経験を紹介する.
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