小児整形外科疾患 診断・治療の進歩
診断・評価の進歩 MRI 発育性股関節形成不全における三次元MRIを用いた三次元的評価
鎌田 浩史
1
,
竹内 亮子
,
中川 将吾
,
三島 初
,
坂根 正孝
,
山崎 正志
,
落合 直之
,
岡本 嘉一
1筑波大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節軟骨
,
股関節
,
股関節脱臼-先天性
,
MRI
,
三次元イメージング
,
関節唇
Keyword:
Cartilage, Articular
,
Hip Dislocation, Congenital
,
Hip Joint
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Imaging, Three-Dimensional
pp.11-17
発行日 2013年10月20日
Published Date 2013/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2014039842
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リーメンビューゲル治療で整復不能な発育性股関節形成不全(DDH)18例を対象に、三次元MRIを用いて関節唇および脱臼骨頭の形態について検討した。三次元MRI所見から骨頭が整復される関節唇の内縁を骨頭の入口と考え、その入口径を測定した。その結果、観血的整復を必要とした6例は徒手整復された12例と比べ、骨頭入口径が小さい傾向を示した。骨頭入口径の対健側比を平均値で比較すると、徒手整復群は71.0%、観血的整復群では57.1%と、観血的整復を必要とした症例の骨頭入口径が有意に小さかった。骨頭の形態について検討すると、脱臼側大腿骨頭は特に前後方向では健側比が小さく扁平化が認められた。しかし、頭尾側方向の大きさは健側に近い値を示し、頭尾側方向の形態は比較的保たれていると思われた。以上より、三次元MRIはDDHにおける整復障害因子や脱臼骨頭を立体的に評価することが可能で、診断・治療の指針となると共に、治療後の形態変化についても追跡評価できることが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2013