連載 整形外科最前線 あなたならどうする?・33
整形外科最前線 あなたならどうする?
加藤 欽志
1
,
紺野 愼一
1
1福島県立医科大学医学部整形外科学講座
pp.51-54
発行日 2015年1月25日
Published Date 2015/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200097
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症例
症例:26歳,男性 プロ野球選手(内野手 右投げ 左打ち)
主訴:右腰痛,右側腹部痛
現病歴:これまでの競技歴で腰痛を自覚したことはなかった.公式戦で一塁手で守備をしていた際に送球が右にそれ,バックハンドで捕球した.その一方,右足をベースから離さないように強く意識していたため,体幹より上半身が強く左回旋を強制された.この直後から右腰痛,右側腹部痛が出現した.その後,バットのスイングはできたが,スイングを戻すときに疼痛が増悪した.翌日もプレーを継続したが,徐々に疼痛が増悪した.球団トレーナーが右側腹斜筋の筋挫傷を疑い,近医で体幹部MRIを撮像されたが,異常所見は認められなかった.その後3日間,安静で経過をみていたが,坐位・安静時においても疼痛が軽減せず,日常生活にも支障が生じるようになり,当科を受診した.シーズン中であり,可及的早期の確定診断,治療見込み期間の推定,および治療方針の決定を強く希望された.
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