連載 整形外科最前線 あなたならどうする?・3
整形外科最前線 あなたならどうする?
松原 秀憲
1
,
渡邊 孝治
1
,
土屋 弘行
1
1金沢大学附属病院整形外科
pp.250-254
発行日 2012年3月25日
Published Date 2012/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102287
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症例
患者:90歳,女性
主訴:左膝関節部痛
既往歴:高血圧症,骨粗鬆症
現病歴:2006年(平成18年)8月,自宅で転倒し受傷し,近医に救急搬送された.搬送時,左大腿遠位部に腫脹・圧痛を認めた.下肢の知覚・運動に異常はなかった.単純X線上,左大腿骨顆部に関節面に至る粉砕骨折を認めた(AO分類33-C3.3).また軽度外反・屈曲転位を認めた(図1).
CTでも重度の粉砕骨折を認め,骨粗鬆症のため顆部では骨欠損を認めた(図2).
認知症症状は認めなかったが,受傷前のADLはつかまり立ち程度とそれほど高くなく,骨粗鬆症も強かったためギプス固定による保存的加療が施行された(図3-a).しかし,受傷3カ月後も遷延治癒となっており,骨癒合傾向も認めなかった.その後,徐々に転位も進行し疼痛も増悪してきたため(図3-b),受傷5カ月後に当科に紹介された.
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