整形外科/知ってるつもり
神経因性膀胱
内山 智之
1,2
,
山口 千晴
1
,
布施 美樹
1,3
,
山本 達也
2
,
榊原 隆次
4
,
山西 友典
1
1獨協医科大学病院排泄機能センター
2千葉大学医学部附属病院神経内科
3千葉大学医学部附属病院泌尿器科
4東邦大学医療センター佐倉病院神経内科
pp.1212-1217
発行日 2012年12月25日
Published Date 2012/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102545
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■はじめに
神経因性膀胱とは,神経疾患による排尿障害の総称であり,症状名や症候名,疾患名でもない.また膀胱とあるが,膀胱の機能障害のみではなく,尿道を含めた下部尿路,さらにはその支持組織,骨盤底筋群などの神経因性の障害に基づく排尿障害すべてを示す用語である.
最近,泌尿器科領域をはじめとして,国際禁制学会(ICS)から報告された新しい用語基準1)に従い,従来の排尿症状を下部尿路症状(lower urinary tract symptom),また排尿障害,膀胱障害などを下部尿路障害(lower urinary tract dysfunction)という用語に統一する動きがあるが,神経内科およびその他の領域では,これらの用語はまだ浸透しておらず,英語でもbladder dysfunctionなどの用語が用いられることが多い.神経因性膀胱も,英語ではneurogenic bladderまたはneurogenic bladder dysfunctionがいまだ一般的である.
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