誌上シンポジウム 重度後縦靱帯骨化症に対する術式選択と合併症
緒言
松本 守雄
1
1慶應義塾大学医学部整形外科
pp.402
発行日 2012年5月25日
Published Date 2012/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102336
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月本による剖検例の報告以来,本邦では後縦靱帯骨化症(OPLL)に対する基礎的および臨床的研究が数多く行われてきた.現在,本邦はOPLL研究および治療において世界をリードしていると言える.一方で,脊柱管占拠率が高く,重篤な脊髄障害を呈する重度OPLLでは手術手技が進歩した現在でも,治療法の選択や実際の手術に難渋することが少なくない.そこで本誌上シンポジウムでは,重度OPLLに対する術式選択と合併症対策と題して,経験豊かな先生方にご執筆いただいた.
頚椎OPLLでは,椎弓形成術および前方除圧固定術の適応と限界について議論が多い.千葉大学の山崎先生には前方法を支持する立場からK-lineを指標にした適応や,手術手技の概要を述べていただいた.大阪大学の岩﨑先生には本症には広く行われている椎弓形成術の利点と限界について述べていただいた.一方,占拠率の高いOPLLが存在していても無症状か,症状軽微な症例に対する予防的手術の適応について,北海道中央労災病院の須田先生にOPLL性頚髄損傷という概念の提唱とともに述べていただいた.
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