最新基礎科学/知っておきたい
マイクロRNAの基礎と応用
高田 修治
1
1独立行政法人国立成育医療研究センター研究所システム発生・再生医学研究部ゲノム機能研究室
pp.418-423
発行日 2011年5月25日
Published Date 2011/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101984
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■はじめに
マイクロRNA(microRNA,miRNA)は内在性の20-24塩基長程の低分子RNAで,メッセンジャーRNA(mRNA)の3'UTRに不完全ながら塩基配列特異的に認識した場合にはそのmRNAの翻訳抑制,完全一致に認識した場合にはmRNAを切断することにより機能している(図1).本稿執筆時,ヒトにおいてはゲノム中に約1,000のマイクロRNAがデータベースに登録されている(http://www.mirbase.org/).マイクロRNAは個体の発生や細胞の増殖,癌化,疾病への関与が明らかになってきており,診断や核酸医薬などの観点からも注目されている.本稿ではマイクロRNAの生合成や解析方法などの基礎と,炎症やリウマチへの関与と将来診断や創薬への可能性を秘めたその応用について概説する.
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