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昨年2010年はWHOが中心となり日本整形外科学会が推進してきたBone and Joint Decade(2000~2010)の最終年ですが,今後もBone and Joint Decade(2010~2020)として継続されることが決定しています.日本では昭和10年(1935)の高齢化率が4.7%と最低でしたが,1950~1975年は出生率低下によって,それ以降は死亡率の改善により高齢化率が上昇しています.先進諸国の高齢化率を比較してみると,日本は80年代には下位,90年代にはほぼ中位でしたが,2010年(平成22年)には約23%となり,世界に類を見ない水準に到達しています.骨・関節を中心とする運動器分野を担当する整形外科は超高齢化社会を迎え,その重要性がますます高くなってきています.日本整形外科学会が提唱している“骨,関節,筋肉といった運動器の機能が衰えることにより日常生活での自立度が低下し,介護が必要になったり,寝たきりになる可能性の高い状態である”ロコモティブシンドロームも,国民に次第に認知されるようになり,外来で患者さんから質問されることもあります.「“上手に体を使う”ことにより介護を必要とせず,自立した生活ができる『健康寿命』を延ばすようにしましょう.」と答えています.
「視座」欄で糸満盛憲先生が書かれた「Unable to Control」は大変示唆に富んだ文章であり,関節外科,外傷外科,骨バンクと同種骨移植とそれぞれの分野で日本をリードされてきた仕事が「すべて自分の意志で積極的に取り組んだ結果なのか…,身近な仲間の支援によるものが大きいことは当然であるが,何かもっと別の意志によって動かされたような気がする.」と書いておられます.世の中のニーズに応えて多くの仕事をされてこられた糸満先生には新しい病院でさらにご活躍されることを祈念いたします.
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