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あとがき
高岸 憲二
pp.1064
発行日 2008年10月25日
Published Date 2008/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101391
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北京オリンピックで日本選手は北島選手が平泳ぎ100m,200mの二冠を達成し,女子ソフトボールの金メダル,陸上で400mリレーでの銅メダルなどをとり,テレビの前に釘付けになられた方も多いと思います.それが終わった後,日本列島は記録的豪雨に見舞われました.今日は長く続いた雨もようやくあがり,晴天になりました.記録的な雷雨で,数時間落雷が続き,夜眠れませんでした.アメリカにはカリブ海に大きなハリケーン「アイク」が発生して,地球温暖化の影響が問題視されています.
今回の「視座」は国立身体障害者リハビリテーションセンターの岩谷力先生が「Locomotive syndrome(ロコモ)」について書かれています.皆さんにとってあまりなじみのない言葉かもしれませんが,内科のmetabolic syndromeと並んで介護予防の柱としてその予防,治療への取り組むことが提唱されています.その定義は「運動器疾患に起因するとじこもり,寝たきりを防ぎ,運動器の障害により要介護になるリスクの高い状態や運動器が障害を受けつつある状態」と述べられています.「ロコモ」は機能に注目した概念で,この研究が進むと新たな病理学的疾患概念が産まれるかもしれないと結ばれています.運動器のプロとして整形外科医が関与できる分野ですので,大いに期待しています.
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