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あとがき
高岸 憲二
pp.1184
発行日 2011年12月25日
Published Date 2011/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102206
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前橋市で開催しました第26回日本整形外科学会基礎学術集会を無事に終え,ほっとしているところです.東日本大震災および福島第一原発施設の事故後,前橋市においても東日本の地方都市と同様にその後の自粛ムードおよび計画停電,両毛線ならびに上越線の運休,風評被害も含めて経済に大きな打撃を受けました.また,学会前には台風12号および15号によって日本各地に甚大なる被害をもたらされました.そのような状況下で基礎学術集会を開催でき,1,500名を越す参加者がありましたことは,皆様のおかげと感謝しております.
整形外科が治療を行っている運動器疾患は,特に高齢者のQOLに大きく影響を及ぼしていますが,残念ながらその実態はよくわかっていません.視座で「運動器と疫学研究」を執筆されている吉村典子先生は,ROAD studyを通して,高齢者の変形性膝関節症や骨粗鬆症における有病率や関連因子について精力的にエビデンスを発信されています.先生は「疫学は興味の尽きるところがない学問で,毎日が充実感に満ちている.医学というサイエンスの奥の深さに驚くとともに,好きな研究を生業とできる感謝の日々である.」と書かれています.素晴らしいことだと思います.吉村先生,これからも私達整形外科医にいろいろ教えてください.特に高齢者の要介護予防につながると良いですね.群馬の片隅で楽しみにしています.
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