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あとがき
高岸 憲二
pp.394
発行日 2007年4月25日
Published Date 2007/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101078
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東京では観測史上最も遅い初雪が降ったというニュースがラジオから流れていましたが,今年は暖冬で浅間山など前橋から見える山々ももう既に黒い地肌が見えています.また,桜の開花予報によると桜の開花も例年に比べて早いようです.
最近,東京地方裁判所の判決ではうつ病で8年前に亡くなった小児科勤務医が働きすぎによる労災と認定されました.一緒に勤務していた小児科医が2人退職し,多くの責任がこの医師にのしかかってきたうえに,月8回の当直があったようです.現在でしたら立ち去り型サボタージュという選択もあったのかもしれません.新聞で紹介された開業医が,「30歳代のときは当直で起こされなかったら不完全燃焼であったが,40歳代になり,当直をして体力の限界を感じ,40歳代後半で開業の道を選んだ」と話していました.現在,大学病院や市中病院に勤務する医師への身体的および精神的負担は大変大きなものになりつつあります.この負担を緩和もしくは解決する1つの方法として女性医師の就業支援があります.医師全体のうち,女性医師は約16%を占めています.本号の座談会では整形外科の女性医師が働くうえでの環境づくりや家庭と仕事との両立などの課題を,女性医師の方々に本音で話し合っていただきました.医師不足の現在,女性医師の現場復帰が望まれていますので,大変タイムリーな企画です.
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