整形外科/知ってるつもり
強直性脊椎炎(AS)の新知見
森 幹士
1
1滋賀医科大学整形外科
pp.1124-1127
発行日 2010年12月25日
Published Date 2010/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101857
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はじめに
強直性脊椎炎(ankylosing spondylitis,以下AS)は血清反応陰性脊椎関節症の代表的疾患である.脊椎や仙腸関節などの付着部を中心とした慢性炎症を起こし,さらにはsyndesmophyteと呼ばれる骨新生を伴う病変を来す.進行すると,その病名が示すように脊柱の靱帯骨化・強直による“bamboo spine”と呼ばれる特徴的な状態へと至る.同じ慢性炎症性疾患の代表である関節リウマチ(rheumatoid arthritis,以下RA)が,骨・関節破壊の一途をたどるのとは大きく異なる.
Tumor necrosis factor-α(TNF-α)やinterleukin 6(IL6)などを標的とした生物学的製剤の登場で,RAの治療は大きな転換期を迎え,炎症だけではなく骨・関節破壊までもが治療ターゲットとなった.
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