書評
『橈骨遠位端骨折―進歩と治療法の選択』―斎藤英彦,森谷浩治●編集
金谷 文則
1
1琉球大教授・整形外科
pp.917
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101819
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このたび,手の外科の第一人者である斎藤英彦先生と森谷浩治先生により「橈骨遠位端骨折―進歩と治療法の選択」が出版された.本著はFernandez D, Jupiter Jの“Fracture of the Distal Radius”に匹敵する名著である.
斎藤先生は冒頭の「編集に当たり」で田島達也先生に「Colles(カルス)骨折について調べてみませんか」と言われたエピソードを紹介している.Colles骨折は転倒により生じる最も多い骨折であり,以前は橈骨遠位端骨折の総称のように使われたこともある.近年ではColles骨折といえば橈骨遠位端関節外伸展型骨折を指し,屈曲型骨折や関節内骨折を含めて橈骨遠位端骨折Fracture of the distal end of the radiusと呼ばれることが一般的である.最近では橈骨遠位骨折Fracture of the distal radius/Distal radius fractureとも呼ばれることも多い.
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