境界領域/知っておきたい
ビスフォスフォネートと顎骨壊死
米田 俊之
1
1大阪大学大学院歯学研究科生化学講座
pp.934-938
発行日 2009年9月25日
Published Date 2009/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101591
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■はじめに
ビスフォスフォネート(BP)は石灰化抑制作用を有する生理活性物質ピロリン酸と類似の化学構造を持つ薬剤である4).BPは破骨細胞に特異的に取り込まれ,アポトーシスの誘導により骨吸収を抑制する.近年,長期間にわたってBPを投与されているがん患者,あるいは骨粗鬆症治療のためにBPを服用している患者が,抜歯などの歯科治療を受けたあとに顎骨壊死(bisphosphonate-related osteonecrosis of the jaw, BRONJ)が発症するとの報告がみられるようになった3,5).
ここでは,BPの薬剤としての有用性について述べ,次いでBRONJの現状,その発症メカニズムに関する考察,ならびに経験に基づく予防策および対応策について述べる.
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