連載 手術部位感染の基本・1【新連載】
手術部位感染(SSI)とは?
楠 正人
1,2
,
毛利 靖彦
1
,
小林 美奈子
1
,
大北 喜基
2
1三重大学大学院医学系研究科病態修復医学講座消化管・小児外科学分野
2三重大学大学院医学系研究科先端的外科技術開発学分野
pp.388-390
発行日 2009年4月25日
Published Date 2009/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101495
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はじめに
手術術式の進歩と各種手術材料および器具の開発・改良によって整形外科領域を含めた外科学的治療は日々進歩を続けている.人々にもたらされる恩恵は計り知れないが,その反面で手術例数の増加に伴い,術後感染症の発生数も増加しているのが現実である.また,高齢化社会,高度医療の進む医療情勢の中で,免疫抑制状態の宿主に生じる弱毒菌感染症が大きな問題となって久しい.このような術後感染症に対して,その診断,治療,予防の面で様々な取り組みがなされている.本連載では,術後感染症のなかの一つである手術部位感染(surgical site infection;SSI)について,その位置づけと対策法について紹介する.
連載第1回目は術後感染症の中のSSIの位置づけとその定義,および,SSIを予防するうえで重要な知識となる危険因子について述べたいと思う.
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