--------------------
あとがき
荻野 利彦
pp.850
発行日 2008年8月25日
Published Date 2008/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101352
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
北京オリンピックが近づいて各国で予選が行われています.今年は水泳の水着が話題になりました.日本予選でもアメリカの予選でもレーザー・レーサーという水着を着るとさらに速く泳げて,世界新記録が続出しました.オリンピックの本番でどのようなことになるか楽しみです.安定した良い結果を出すことを目標にするという点では,競技スポーツと整形外科の手術にも共通点があります.手術を含む綿密な治療計画,術者の技術の修練,器具の改良や開発など常に心がける必要があります.いずれも安全第一に考えなければなりません.
後期高齢者医療制度が問題になってからしばらく経過しました.先日の新聞に「市場原理主義が導入され,競争原理,自己責任,経済優先で,美しく優しかった日本は,急に冷たいぎすぎすした国になってしまったこと.その病状の1つが,強引な医療費の削減に表れたこと」が書かれていました.前述の通り医療も良い結果を出すことが要求されますが,医療体制も含めてその底流には,患者さんあるいは他者への優しさと思いやりが必須です.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.