最新基礎科学/知っておきたい
ADAM
岡田 愛子
1
,
岡田 保典
1
1慶應義塾大学医学部病理学
pp.1416-1420
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100871
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細胞外マトリックス(extracellular matrix:ECM)は細胞表面や細胞間に存在する一群の機能分子であり,単独あるいは他の成分と高次構造を形成し,全身臓器に分布している.線維性組織や基底膜のように,組織構築の維持や細胞の接着・保持・バリヤー機能,血漿の濾過作用などを示すほか,関節腔や疎生結合組織のように,代謝産物の通路や増殖因子の貯蔵庫として働いている.これらの作用を通して細胞の接着・増殖・分化,運動,形態形成や組織再生など,生体内での多彩な細胞機能を規定している.したがって,ECMの過剰な分解は,多くの病的状態を惹起する.
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