Japanese
English
臨床経験
仙骨に発生したinsufficiency fractureの4例
Four Cases of Sacrum Insufficiency Fracture
山本 晃裕
1
,
鍋島 祐次
1
,
黒石 昌芳
1
,
須田 誠
1
,
藤井 英夫
1
Akihiro Yamamoto
1
1姫路聖マリア病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Himeji St. Mary's Hospital
キーワード:
insufficiency fracture
,
脆弱性骨折
,
sacrum
,
仙骨
,
bone scintigraphy
,
骨シンチグラフィー
Keyword:
insufficiency fracture
,
脆弱性骨折
,
sacrum
,
仙骨
,
bone scintigraphy
,
骨シンチグラフィー
pp.345-348
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100666
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抄録:仙骨に発生したinsufficiency fractureの4例を経験し,その臨床的特徴を検討した.症例は全例70歳以上の女性で,4例中3例は股関節周囲の手術既往歴を有していた.全例外傷歴はなく,初発症状は股関節部痛あるいは殿部痛であった.単純X線像では仙骨の骨折線は明らかではなかった.血液生化学的検査にて全例血清ALPの高値を認めた.1例は人工骨頭の弛みを,1例は転移性骨腫瘍を,そして残る2例は当初より本疾患を疑った.全例骨シンチグラフィーを施行し,本疾患に特徴的とされるH字型の異常集積像,いわゆるHonda's signあるいは両仙骨翼の異常集積像を認めた.CT,MRIにて確定診断に至った.高齢女性の股・殿部痛を診察する際は,仙骨insufficiency fractureの存在とその臨床的特徴を念頭に置き診断にあたることが重要である.
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