Japanese
English
症例報告
転移性骨腫瘍と鑑別を要した慢性関節リウマチにおけるpelvic insufficiency fractureの1例
A Case of Pelvic Insufficiency Fracture in Rheumatoid Arthritis Requiring Differential Diagnosis of Metastatic Bone Tumor
畑中 渉
1
,
越智 比呂子
1
,
吉岡 猛
2
,
小玉 孝朗
3
,
佐々木 豊
3
Wataru Hatanaka
1
1北海道勤医協苫小牧病院整形外科
2道東勤医協釧路協立病院整形外科
3北海道勤医協中央病院病理科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hokkaido Kin-ikyo Tomakomai Hospital
キーワード:
insufficiency fracture
,
脆弱性骨折
,
rheumatoid arthritis
,
慢性関節リウマチ
,
pelvis
,
骨盤
Keyword:
insufficiency fracture
,
脆弱性骨折
,
rheumatoid arthritis
,
慢性関節リウマチ
,
pelvis
,
骨盤
pp.91-93
発行日 2002年1月25日
Published Date 2002/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903463
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抄録:症例は78歳,女性で,1994年に発症した慢性関節リウマチ患者である.1998年よりプレドニン5mgを内服中であった.1999年6月背部痛精査で膵体尾部腫瘍を指摘されていた.8月左股関節痛が増強し,歩行困難となり入院した.入院時の骨盤X線写真で左恥骨・坐骨の溶骨性変化,骨折像を認め,転移性骨腫瘍を疑っていたが,X線上骨融解像が急速に進行する割に,腫瘍マーカー上昇がみられず,insufficiency fractureを疑った.骨生検により,腫瘍性変化は認められず,再検査でも否定された.その後腸骨にも骨折像を認めたが,安静と免荷により疼痛は軽快した.膵腫瘍に由来すると考えられる悪液質悪化により残念ながら死亡した.骨融解像を認めた場合,合併疾患があればそれに要因を求めがちであるが,骨脆弱性がありinsufficiency fractureの好発部位に疼痛を有する例では,慎重に診断を下す必要があり,初期診断が重要である.
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