整形外科/知ってるつもり
老化遺伝子
森 望
1
1国立療養所中部病院長寿医療研究センター分子遺伝学研究部
pp.176-179
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100371
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この数年,老化研究の分野では,動物の寿命の長短に影響する遺伝子の発見が相次いでいます.寿命の決定と老化の速度のメカニズムに関しては,まだ,直接的な関係があるかどうか,慎重な議論が必要ですが,大まかには,少なくともこれらを「老化遺伝子」の一部と解釈することができます.臨床医学の観点からすれば,ヒトの老化遺伝子に関心がありますが,生物の寿命決定や老化のしくみは進化的共通基盤があるはずなので,その意味で,遺伝学的操作の駆使できる老化のモデル生物からの老化・寿命関連遺伝子の知見は大いに参考になります.また,ヒトの百寿者(centenarian)や早老症(progeria)に関係する遺伝子にも大いに興味があります.ここでは,それらに関して最近の研究動向を概説しましょう.
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