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シンポジウム 外傷に対するプライマリケア―保存療法を中心に
緒言
Preface
堀内 行雄
1
Yukio HORIUCHI
1
1川崎市立川崎病院整形外科
pp.4-6
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100342
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整形外科医の扱う疾患は,極めて多彩で専門的にならざるを得ない側面を持っている.このため若い整形外科医は,部位別や疾患別の専門家を目指すものが少なくない.しかし,われわれ整形外科医は,診療の場でバラエティに富んだ運動器疾患を治療しなければならないので,整形外科の一般的知識を持つことは不可欠である.初期治療の段階で疾患や損傷が見逃されたり,不適切な手術を受けたために障害を残している症例を診ることもあり,心が痛む.このようなことのないように,プライマリケアに対する正しい知識を身に付けることは必要であり,特に外傷に対するプライマリケアのより良い知識を体得することが求められる.
外傷により生じた疾患は,加わった外力などが異なるため,「結果が悪くなったのは強い外力が加わったためで,治療の仕方が問題なのではない」と済ましてしまうことがあるかもしれない.本当にそうなのだろうか.確かにそのようなことはあるが,多くはプライマリケアが適切であれば,治療期間も短縮できたし,結果も満足できるものであった可能性が残されている.多くの患者をより良く治すという点からも,特に第一線で活躍している整形外科医は外傷に対するプライマリケアの正しい知識を体得すべきである.
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