誌上シンポジウム 難治性足部スポーツ傷害の治療
緒言
田中 康仁
1
1奈良県立医科大学整形外科学
pp.722
発行日 2012年8月25日
Published Date 2012/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102415
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足部は28個の骨が複雑に組み合わさり,どのような地表面にも足底を適合させることができる構造をしている.また,足部には体重を支えるために大きな荷重がかかり,さらに疾走時には全身の筋肉から生じる力の作用点として働く.そのためにオーバーユースに起因するスポーツ傷害が多く,常に荷重がかかる部位であるために,しばしば難治性になる.逆に言えば足部は荷重を分散させることができるために,傷害部位をかばいながらでもスポーツ活動ができてしまうことが多い.そのため足の他部位や膝や腰などに二次的な障害を生じることも少なくない.スポーツ選手は競技レベルが高くなるほど活動を休止することに大きな抵抗があり,スポーツ活動と折り合いを付けながら治療しなければならない.スポーツ整形外科を専門とされている先生は,足部のスポーツ傷害を治療することの難しさを実感されていることと思う.
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