カラーグラフ 内視鏡下外科手術の最前線・7
胸腔鏡下胸部食道粘膜下腫瘍切除術
長山 正義
1
,
寺岡 均
1
,
西口 幸雄
1
,
大平 雅一
1
,
石川 哲郎
1
,
吉川 和彦
1
,
曽和 融生
1
,
西森 武雄
2
Masayoshi NAGAYAMA
1
1大阪市立大学医学部第1外科
2育和会記念病院外科
pp.831-836
発行日 1995年7月20日
Published Date 1995/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905260
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はじめに
良性の胸部食道粘膜下腫瘍は,隆起性で,浅い層に存在して,径が小さいものであれば食道内視鏡下での摘出が可能なことがある.しかし,このような方法での摘出が困難な病変では,開胸下手術が多く行われている.食道の良性腫瘍に対する開胸手術では,手術創は大きくなり,開胸操作のために美容的にはもちろん,術後の創痛などが持続することがあり,quality of life(QOL)に問題が残る.
最近,ブラなどに対して胸腔鏡下手術が行われているが,術後のQOLが良好で,回復も早く,従来からの開胸操作を必要とせずに良好な成績が得られている.胸部食道の良性腫瘍に対しても,胸腔鏡下に手術を行えれば,術後QOLは良好であると思われるが,報告例はきわめて少なく,またその手術方法などは現在確立されておらず,検討すべきことは多い.
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