Japanese
English
特集 早期胃癌の内視鏡的根治切除
多画素電子スコープを用いた内視鏡的胃粘膜切除術(斜形透明フード法)
Endoscopic mucosal resection using an electronic endoscope which employs a CCD incorporating 270000 pixels (oblique transparent hood method)
片山 修
1
,
小栗 康平
1
,
大久保 裕雄
1
,
加藤 明
1
,
太田 和子
1
,
本田 宏
2
,
林 武利
2
,
村上 徹
2
,
提嶋 淳一郎
2
,
石井 保夫
2
Osamu KATAYAMA
1
1埼玉県済生会栗橋病院内科
2埼玉県済生会栗橋病院外科
キーワード:
電子内視鏡
,
多画素電子スコープ
,
内視鏡的粘膜切除術
,
フード
,
胃癌
Keyword:
電子内視鏡
,
多画素電子スコープ
,
内視鏡的粘膜切除術
,
フード
,
胃癌
pp.19-24
発行日 1995年1月20日
Published Date 1995/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905130
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多画素電子スコープは,スコープ先端に18万,27万,41万画素といった多画素・高密度CCDを採用した電子スコープである.CCDの多画素化による高解像な画像を観察しながら内視鏡的粘膜切除術を行えば,より安全で正確な切除が可能である.斜形透明フード法による内視鏡的粘膜切除術は,食道粘膜癌の内視鏡的粘膜切除術:EEMR-tube法(幕内)の考え方を胃疾患に応用したもので,2チャンネル処置用スコープを必要とせず,多画素電子スコープを用いて鮮明な画像下に内視鏡的粘膜切除術を行うことができる方法である.手技は,高周波凝固によるマーキング,エピネフリン加生理食塩水の局注,フード装着スコープの挿入,粘膜の吸引,絞扼,切断,回収,止血(縫合)からなる.
本法の前述した以外の特長は,把持鉗子による組織の挫滅の危険がないこと,フードを手軽に非常に安価に作製できること,胃体部などの前方視型スコープで正面視が難しい部位にも適用できること,円筒形フードに比べて大きな切除片を得ることが可能であること,フードの体積に制限されるために切除が過大になる危険が少ないこと,スネアーの掛け直しが容易なことである.
本法の良い適応は,胃癌の場合,10mm以下の小胃癌,特に5mm以下の微小胃癌で,non-liftingsignを認める場合は切除を中止することにしている.10mm以上の病変では,分割切除となる可能性が高く,ほかの治療法も考慮すべきである.
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