特集 消化器癌切除材料取扱いマニュアル
胆嚢・胆管癌切除材料の取扱い(3)
木下 博明
1
,
広橋 一裕
1
1大阪市立大学医学部第2外科
pp.59-62
発行日 1993年1月20日
Published Date 1993/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905108
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はじめに
癌切除標本を取り扱うには,臓器の特殊性を考慮して,病変の進展範囲を診断することが重要である.胆嚢・胆管癌の手術で胆嚢・胆管の切除のみに終わることは少なく,肝切除や膵頭十二指腸切除あるいはこの両者が施行され,周囲臓器や組織も一塊にして切除されることが多い.したがって,切除標本を一平面で検索することなく,病変を立体的に把握して癌の進展範囲を決定する必要がある.胆道癌取扱い規約1)では,胆嚢は腹腔側で病巣を避けて長軸方向に,胆管は前壁を縦に切開,固定した後,切り出しは胆嚢では長軸方向,胆管では輪切り,肝合併切除例では肝内胆管が,膵合併切除例では総胆管と主膵管が輪切りとなるように行うことと記載されている.本稿では著者らの行っている胆嚢・胆管癌に対する術中の検索および術後切除標本の取扱いについて解説する.
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