カラーグラフ シリーズ・新しい内視鏡治療・5
胆嚢結石症—癒着高度例に対するアプローチ
大友 裕美子
1
,
万代 恭嗣
1
,
窪田 敬一
1
,
伊藤 精彦
1
,
渡辺 稔
1
,
S. A. ナイーム
1
,
出月 康夫
1
1東京大学医学部第2外科
pp.5-10
発行日 1993年1月20日
Published Date 1993/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905097
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
いずれの施設でも腹腔鏡下胆嚢摘出術の開始当初は炎症所見の軽い症例を選択して本法の適応とするが,経験を重ねるに従い,操作困難の予測される症例へも適応が拡大されてくる.
本法を困難にする局所の要因としては,①高度の癒着(慢性胆嚢炎,急性胆嚢炎の既往,既往手術によるもの),②結石充満,胆嚢水腫の状態,③胆嚢管への結石の嵌頓,④急性炎症の存在,⑤胆道,血管の破格,⑥肝硬変などが挙げられる.これらに対しては,基本的には外科手術の常識を守って対処してゆけばよいわけであるが,腹腔鏡下であることによる特有な状況もあるので,本稿では,主に高度の癒着のある場合の操作上のコツや注意点につき,手術手順に沿って述べることとする.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.