カラーグラフ 正しい外科切除標本の取り扱い方・20
甲状腺の切除標本の取り扱い方
三村 孝
1
,
藤沢 俊道
1
,
亀山 香識
2
Takashi MIMURA
1
1伊藤病院
2慶應義塾大学医学部病理診断部
pp.1461-1468
発行日 2002年11月20日
Published Date 2002/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905049
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はじめに
甲状腺腫瘍の手術において,重要なのは術中の所見である.腫瘍の大きさ,浸潤の有無,リンパ節転移の部位,程度などは手術の予後を左右する大きな因子である.これらの所見を正確に把握したうえで,適切な手術方法を選択することが必要である.また術中,腫瘍の割面の性状を観察することも重要である.術前診断と異なった知見が得られることが少なくない.わが国では甲状腺外科研究会により甲状腺悪性腫瘍全国登録が行われている.「甲状腺癌取扱い規約」1)には,切除標本の取り扱い方法とともに,登録に必要な記載事項が記されている.詳細な解説論文もある2).筆者らもこれらに準じて切除標本を取り扱っている.
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