Japanese
English
特集 ヘルニア—最新の治療
鼠径部の外側三角
The lateral triangle of the groin
A. I. Gilbert
2
,
M. F. Graham
2
,
W. J. Voigt
2
,
柵瀨 信太郎
1
1聖路加国際病院外科
2Hernia Institute of Florida
キーワード:
lateral triangle
,
interstitial hernia
Keyword:
lateral triangle
,
interstitial hernia
pp.1073-1077
発行日 2002年8月20日
Published Date 2002/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904943
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鼠径部の外側三角とは内鼠径輪とそのすぐ外側の領域である.この領域は再発外鼠径ヘルニアやinterstitial herniaが起こりやすい.Interstitial herniaとはヘルニアサックが筋肉にもぐるようにあるいは筋層の間から突出する.典型的には前回手術創外側の膨瘤として触知され,患者がバルサルバ法(Valsalva maneuver)を行うとより顕著となる.
筆者らの単一施設における4年間の再発鼠径ヘルニア症例を検討した.その結果,多くの前方からの手術(鼠径法),および腹腔鏡手術によるメッシュを用いた術式後の新しい再発好発部位が明らかになった.
前方からの術式によるメッシュ法(以下,OMR)後の外側三角からの再発は初発あるいは14発ヘルニアに対し,乎術時にプラグや扁平メッシュでヘルニア門だけしか被覆していないことに関連している.典型的な腹腔鏡下ヘルニア手術(以下,LHR)後の再発は内鼠径輪の外側の被覆が不十分であるためである.
筆者らの経験した鼠径ヘルニア手術症例3,216症例中,初発例は2,768例,再発例は452例(1回〜4回再発例)であり,うちLHR後再発は28例,OMR後は20例であった.
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