Japanese
English
特集 鼠径ヘルニアの治療NOW―乳幼児から成人まで
年長児の外鼠径ヘルニアの診療
Optimal surgical procedure for elder children or adolescents with inguinal hernia
松藤 凡
1
,
髙松 英夫
1
,
村上 研一
1
,
嶋田 元
2
,
柵瀨 信太郎
2
Hiroshi MATSUFUJI
1
1鹿児島大学医学部・歯学部附属病院小児外科
2聖路加国際病院外科
キーワード:
小児
,
成人
,
年長児
,
鼠径ヘルニア
,
発症頻度
Keyword:
小児
,
成人
,
年長児
,
鼠径ヘルニア
,
発症頻度
pp.1337-1339
発行日 2008年10月20日
Published Date 2008/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102283
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要旨:小児鼠径ヘルニアは腹膜鞘状突起の開存に由来するものとされ,ヘルニア囊の高位結紮術が広く行われている.一方,成人鼠径ヘルニアは横筋筋膜の脆弱化が主因とされ,内鼠径輪の縫縮や後壁補強が行われている.本稿ではヘルニア症例数の年齢による推移を調べ,小児鼠径へルニアと成人鼠径ヘルニアの境界年齢について検討を加え,年長児鼠径ヘルニアの手術方法に言及した.小児鼠径ヘルニアでは症例数に男女差はなく,乳幼児期に最も多く成長とともに減少しており,ほとんどが外鼠径ヘルニアであった.成人男性では,内・外鼠径ヘルニアともに症例数は加齢に従って増加し,中高年期にピークを認めた.成人女性外鼠径ヘルニアでは,20~30歳に小さなピークを認めたが,以後ほとんど発症はなかった.成人女性内鼠径ヘルニアは,すべての年齢を通じてほとんど認められなかった.成人鼠径ヘルニア症例数の男女比は,40~50歳以後に有意差が認められた.以上より年長児,思春期の鼠径ヘルニアは小児型ということができ,ヘルニア囊の高位結紮が適切な術式と考えられた.
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