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特集 乳癌の手術:最適化への論点
B.リンパ節郭清のpros and cons
10.腋窩リンパ節郭清範囲の最適化
An optimal axillar lymph nodes dissection in operation for breast cancer
馬場 紀行
1,3
,
岩瀬 哲
2,3
,
幕内 雅敏
1
Noriyuki BABA
1,3
1東京大学医学部第2外科
2東京大学医学部放射線科
3東京共済病院外科
キーワード:
乳癌根治手術
,
腋窩リンパ節廓清
,
予後因子
Keyword:
乳癌根治手術
,
腋窩リンパ節廓清
,
予後因子
pp.65-69
発行日 1999年1月20日
Published Date 1999/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903496
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現在乳癌根治手術においては,腋窩リンパ節郭清を併用することが標準的である.腋窩リンパ節郭清の意義は,術後長期予後における再発の危険を予測するための指標を得ることにあり,リンパ節郭清が長期予後を改善したという臨床的なevidenceは得られていない.腋窩リンパ節郭清を行った結果,後遺症として患側上肢の浮腫,感覚障害が起きる可能性がある.予後を予測する因子としての病理組織学的リンパ節転移状況は,Level Ⅰ,Ⅱの範囲を調べれば十分である.術後後遺症を少なくする上でも,腋窩リンパ節郭清はLevel Ⅰ,Ⅱにとどめるべきであり,将来は症例により,腋窩リンパ節郭清を省略することも考慮されるべきと考える.
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