私の工夫—手術・処置・手順
双口式人工肛門造設の工夫
渡部 脩
1
,
岩瀬 博之
1
Hisashi WATABE
1
1江東病院外科
pp.1518-1519
発行日 2001年11月20日
Published Date 2001/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904706
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筆者らは閉塞性大腸癌における単孔式人工肛門造設術についてすでに報告1)しているが,今回は双孔式人工肛門造設について報告する.大腸癌の増加とともに人工肛門を造設する機会も増えているが,高年齢患者,重篤合併症例,腫瘍切除不能例などで,単孔式人工肛門が不可能な場合は当然双孔式人工肛門が必要になる.しかしながらその造設においても出血,壊死,脱落,膿瘍などの早期合併症があり,これを回避することは重要である.磯本らはとくに教育研修病院では人工肛門造設術が比較的若い未熟な術者によって行われていると指摘2)し,早期合併症は7.9%,晩期合併症は10.4%にみられた3)と述べている.そこで以下のような方法を考案し,良好な結果を得ているので報告する.
左下腹部に腸管をつまみ出せる程度の約5cmの縦切開を加え,腸管を創外に出し,筋膜と腸管漿膜筋層を縫合する.次に通常taeniaは人工肛門切開のときに利用されるが,筆者らは自由ヒモと大網ヒモを利用して,単孔式の場合と同様に腸管の全層に3-0合成吸収糸を用いて皮膚と縫合する(図1).これでしっかりと固定され脱落の心配はない(図2).
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